2001年のSailplane and Gliding誌にオランダのグライダーでは有刺鉄線に当たった時にこれを切るためのカッターの装備が義務付けられるという記事がありました。これはキャノピーの中に前後に伸びる2本の巨大なストリンガーです。なぜオランダではこれを装備しなければならないほどbarbed wire(有刺鉄線)の問題が大きいのか不思議でしたが、スペインでのWorld Air Gamesの18m/World Classコンテストの会場でオランダ人の若いクルーに話を聞いてようやく分かりました。
1. まず、オランダの有刺鉄線は太い。鉛筆の半分くらいの太さがあるそうです。そのため軟弱な日本の有刺鉄線と違って簡単に切れずにキャノピーを割ってパイロットを傷害するらしい。ヨーロッパでも他の国ではそんな太いワイヤーは使っていないそうです。
2. オランダの土地利用は日本のように細かいので農業用地も面積が小さく、場外着陸では区画の端を狙ってのアプローチになる。従って境界に張ってある、家畜を囲い込むための鉄線に突っ込む可能性が高い。
私がたまたまLillo飛行場のレストランで話を聞いたクルーの父親が30年以上前に怪我をしたのがカッター義務化の引き金になった事故の一つだったそうです。この父親は今でも顔中縫合の跡だらけらしい。彼はオランダ人なんだけどリスボンにいるので、ポルトガルチームのクルーをスペインでやっているというややこしい関係でした。他にも北欧人なんだけどホームポートはTocumwalで、まだ別の国のクルーをスペインでやってる中年のパイロットもいました。
ワイヤーのカッターは農薬散布機でもウィンドシールドの中につけていることがあります(大抵は真中に1本)。やはり農薬散布などのヘリにつけることもあるようです。
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