WADAJADA(ドーピング検査)

20026月に日本のスポーツ薬物規制の第一人者である河野一郎医師にお話を伺いました。本記載内容について確認は行っていませんので以下は参考のみの情報です。

1.      河野先生の現在のポジションはJapan Anti-Doping Agency(JADA)Chairmanと筑波大学体育専門学群の副学群長(教授)を兼任。河野先生は膠原病専門の内科医師であるとともに子供のラグビー指導、長野などオリンピックの薬物規制の実務でJOCの仕事を過去されてきました。NHKのラグビー番組にも出演されています。

2.      世界でのスポーツ薬物規制のためにはWADAが設立され、日本政府は最多の拠出金を出しています(2億円弱)。

3.      日本では20019月に財団法人/公益法人(文部科学省)として「日本アンチ・ドーピング機構」が設立されました。2002年夏の状況では常勤が3名だそうです。

4.      ヨーロッパではスポーツ団体がドーピング検査をするのに補助金が出るようです(ECでのドーピング検査規定のため各国にスポーツ用の機構がある)。フランスは法規定があるらしく、政府がしっかり検査費用を出すそうです。日本ではこのような制度がなく、実際にはサッカーくじ補助金への申請が通ると三分の二の補助が受けられるそうです。

5.      グライダーの世界選手権でもヨーロッパで開催されたドイツ・バイロイト大会では上位のランダムの尿検査があったようです。

6.      しかし例えば航空協会がJADAの検査サービスを受けるためにはまず加盟(25万円)し年会費(5万円)を払わなければならないとのこと。(航空団体ではかなりの負担になりますね。)

7.      検体当たりの検査費用は競技中のセットでUS$500~1,000ほど、競技外のセット(ステロイドなど)でその半分ほどのようです。ギリシャの検査機関では$200程度との話もありました。

8.      JADAでは検査員の養成のための講習会を行っているそうです。これも準備の一環として受ける必要があります。検査員には医師の係(Medical Officer)とそれ以外(看護師・非医療職)の係(Technical Officer)があるそうです。後者は事前申告の面談をしたり、抜き打ち(医師が急遽立ち会うのが難しいので)検査にあたったりするようです。

9.      国内ではJADA設立以前でも1985年の神戸ユニバーシアード大会からIOCの基準でドーピング検査は行われているそうです。昨年は検体数で約1,500ほど実施とのこと。

10.  プロ競技団体もJADAの規制下になるとのこと。ただ、日本国内で行われる競技会でも例えばサッカー・ワールドカップはFIFAが直接日本の検査機関(三菱BCL)に発注しているそうです。2001年の秋田の「ワールド・ゲームズ」にはパラシューティング種目がありましたがこれも同様に世界団体の直接発注だったようです。

11.  WADAでは’The World Anti-Doping Code’のドラフトへの意見を募集中です。このドラフトによれば各国政府や各国の機関(日本ではJADA)がこのCodeを適用する期限は遅くとも2006年のトリノ冬季オリンピック開会時

12.  まとめるとFAIWADAの手続きを行うことを定めましたので、国内で行われる航空スポーツ競技会では航空協会または各競技団体が開催要項にドーピング検査を定め実施しなければなりません。実際に検査を行うためにはJADAに加盟する必要があります。実際にどのように検査を行うか(または行わないか)は競技団体の内規によります。検査を開始する期限は上記のように遅くとも2006年となります。国内の航空競技団体の実態を考えるとJADA加盟は航空協会が良いのかもしれません。今から予算を組んで、サッカーくじ補助金も申請する必要があるでしょう(本年度は終了とのこと)。検査員も現在は競技団体の自己要請ですが、近い将来JADAに委託できるようになるのかどうか情報収集をする必要があります。FAIが直接開催する日本国内の大会については検査はFAIの責務ですが日本での開催であれば国内の各競技団体またはNACである航空協会が実施補助をすることになるのではないでしょうか。このための計画も必要でしょう。ワールド・ゲームズの開催方法が参考になるでしょう。---------------------------------------------------------------------------------------------------------

13.  (以下は検査などの細かな事項です)
現在IOC認可の検査機関は三菱BCLのみ。彼らは比較標準薬物を持っていますが、麻薬類の項目がWADA規制薬物に追加された場合に警察以外が標準を輸入できるかどうかは問題。WADA-accredited labの認定は作業中とのこと。

14.  検体のラベル付けについてはスポーツ団体に対してはJADAがサービスを行い、キットを支給する。他の団体からの検体を受け付けないのはドーピング検査抜けの開発を許さないためもある。

15.  WADA codeドラフト 8.9’Court of Arbitration for Sport (CAS)’IOCがスポンサーするICASの下にあるもので、スポーツ関係の裁定のみを行う機関らしい。

16.  Code中の’prohibited method’は現在は検体の悪意の取り替えなどを対象にしているが、自家輸血なども対象になってゆくようです。

17.  Codeの国内レビューについて、国際法の面では東大の道垣内(どうがうち)氏が関連しているとのこと。

18.  Code 8.10.5に選手の連絡先を知ることについて記載があるが、これは国によって異なるとのこと。日本ではJOCの資金の出ているオリンピック強化選手は資金の枠組みで居場所が把握されているらしい。国際陸連が直接管理している選手(国内では例えばハンマー投げの室伏選手)は3ヶ月おきに連絡しているらしい。

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