小型機長距離飛行のノウ・ハウ by Ted Steckbauer
Steckbauer氏は元米海軍のテストパイロット。厚木で飛行司令を2年ほど1970年頃にしていたことがあります。板倉滑空場の現格納庫の柿落としにも来たことあり。厚木では日本人グライダーパイロットを交え交歓会を開いてスポット・ランディング・コンテストなどしていたとか。本人のグライダーは金1の銀章。こ歓会のための空輸で北から来て索切れで立川に下りてしまったのが日本人最後の立川着陸らしい。軍引退後はサンディエゴにSteck AviationというFBOを開いてセスナ・パイロット・センターをやっていました。CitationやBlanik L-13もあった。私が陸単を取ったのもここ。グライダーの試験も近隣のWarner Springで取りました。板倉などからもその後何名か陸単を取っています。Steckbauer氏はC-152やSGS1-26でエアショーでも活躍。大型軍用機からC172、グライダーまで実際を知る貴重な方です。FAA examinerは引退したもののA&P with AIでは現役。
AOPA-JのルートはAvGasがあることとHF無線機が要らないことを最初に考慮して立てられています。他にイラクは今は通過を考えないほうがよいことがあります。アメリカから参加したPC12が最後にアメリカに帰る時、北海道から Petropavlovsk Kamchatsky Airport(UHPP)ではロシアからHF無線機の搭載と航法士を搭乗させることが要求されています。航法士はアエロフロートに沢山いるそうでその雇用対策でしょうか。AOPA-Jのウラジオストック飛行ではロシアのGA関係者がモスクワとネゴしてくれて航法士はIFRで洋上のみなので省略してよいことにできたそうです。
グリーンランド先端の Narsarsuaq Airport(BGBW) はクロスウインドが強い日が多いという情報もあり。但し飛べる日なら横風は大丈夫とのTedの経験です。
TedはFAA examinerはリタイアして世界一周チケットであちこち回っ
て、たまにネバダの自宅にいるという生活を数年しています。今回
はオーストラリアから日本に来ました。
AOPAのコンサルタントもリタイアしたそうですが、-Jの世界一周の
参考になる話はいくらでもしますとのことです。
昨夜ぱらぱら聞いたことをおまけしておきます。
・太平洋横断はADAK経由がベスト
・グリーンランドはC152のフェリーで真ん中も通ったことがあるの
で非与圧で大丈夫のはず。ただ南端近くがよい。
・グリーンランドの西側に米軍のエリアがあり許可を要す。
・整備コストは以前はドイツと比べてフランスはめっぽう高かった
ので、変化して安いのでなければフランスで整備を予定するのはな
ぜか疑問。フランス商売には注意せよ。
・中東などでは「正規の通知がないのでそのプランで出発するには
これこれを払え」という手口があるのでpermitは現場で紙ですぐ見
せられるようにしておくのが良い。
・面倒を避けるのにはスカイプランを使うのは良いがかなりの金額
チャージされているようなので通信支援などの部分でどう契約され
ているのか興味あり。
・早回りを狙うのでもないのにカナダの北端を横切るのはどうして
か。米国との国境近くならずっと各種支援が受けやすいので。カナ
ダの北部は援助が得られない。
宛先: "AOPA-J ML"
件名 : transatlantic 3
日時 : 2001年5月24日 10:46
嶋田 和人22@板倉 です。
ばらばらで申し訳ありませんが、Steckbauer氏の話です。
・オイルの件。大陸横断中にオイルの消費をみる。このときに、max(例えば14qt)ま
で入れると最初の2qtがベントされてしまって大きな消費量と誤解される。そこで入
れるのは14の機体なら12とする。これから消費量を見る。14入れて洋上へス
タートしても正常なら同じであるが、途中でもオイルの消費量をモニターしてエンジ
ンの状態変化を知りたいのでフェリー中はずっと14の機体なら12入れるのを繰り
返して正確に量のモニターを続ける。12なら10。この2qt少なく入れるのはフェ
リーパイロットの間では普通のやり方。オイルフィルターが入るときは1qt増やして
14なら13とする。
・サバイバルスーツ(exposure suit)はC152ではタンクとラジオで身動きできないの
で下半身は着たまま14時間飛んだ。172以上なら動けるので2分以内に着られるからた
たんだまま。
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ファルケで何度も大西洋を横断している人もいるはずですよ。
この朝聞いたところを並べます。
・アンテナをアルミ外板を通して外に出すfeed
through作業は飛行機のavionics shopなら殆どどこでもできる。頻繁に行われるもので与圧機でも問題なし。
・アンテナカプラーの近くにfeed throughを設けるのが普通。小さいものなので構造的にはどこでも問題ないそうです。
・feed through作業後の書類としては'FAA form 337'を書く。
・メーカー書類にない新規位置にfeed throughを設置した場合でも作業後のinspector(Local
FAA またはDesignated Engineering Representative)による処理は数日でできる。avionics
shopは普通inspectorと一緒に作業することが多いので分かるはず。
・HFアンテナの装備手順が認定済みの機体(PC12については不明)ならForm
337の処理はA&P with IA(Inspection Authorization)の検査で終わる。Steckbauer氏は現役のIAでもあります。
・昔の機体は既にfeed throughがつけてあることも多かった。
・後部与圧バルクヘッドのさらに後ろなら外板をアンテナを通す作業がずっと簡単になる。この場合は後部のバルクヘッドにアンテナとカップラーの電源線を通すことになるが作業は易しい。但しコネクターの形状が特殊な場合があり注意を要する。
・Bahrainは良い経由地。
・FAA International Flight Information ManualはFAAの東京オフィスにあるはず。Steckbauer氏はAv
gasのある場所はこれで調べていた。
・Narsarsuaq Airport(BGBW) は夏は横風の問題はない。Steckbauer氏は10回は行ったそうです。07で着陸し、離陸は山を避けるのに25で離陸したとのこと。宿泊環境は良いそうです。
・Steckbauer氏はBahrainはオーストラリアからC303で西行、C421で東行で経由して問題なかったとのこと。
・オーストラリアからルクソールに着いた際に日没となってしまい、そのあと地上で大変だったので昼間にいくに限るとのこと。「飛行機をみていてやる」という人間がわらわら飛行機の回りに集まってくるので、給油(これは大丈夫だった)と飛行機を守るのに一人飛行機に残って、Steckbauer氏がタワーに行ったら書類を逆さまに読む奴がいて、家族みたいのが床にねてるわ、検疫は遊牧民服を着てまた書類を逆さまに読むのが泥手で鉛筆で(サインするところを教えてもらいながら)サインするは、書類が間違っていて事務所に行きなおすわでとにかく少なくとも夜にはいかないに限るそうです。
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A36で飛ぶとどうかということをSteckbauer氏と少し話したのです
が、
・tip tankがついているので航続距離は十分だろう。
・3名載っても荷物をつめこまなければ重量は問題ないはず。
だそうです。C152などのフェリーではいつも特に許可を取って普通
の重量は超過して飛んだそうです。A36+GPSなら大きな問題はない
ようですね。
AOPA-Jのフライトではプランがもう決まっているので変更の可能性
は低いでしょうが経由地がいろいろ気になるらしいです。参考のた
めに書きますが変更しなければだめというよりどうしてそういう選
択になったのか興味があるようです。まあ15回も大西洋を小型機
で横断してそのうち半分は北大西洋という人のいうことなのでちょ
っと書いておきます。
やはりカナダの北を横断するのが気になるそうです。マッキンリー
付近から北は雲が多いことが多いとのこと。普通はニューファウン
ドランドからグリーンランドの南端をかすめてアイスランドに飛ぶ
のが普通とのこと。南端近くで気象によるgo/no goを決めるそうで
す。グリーンランドで着陸しないプランで飛んだらタンクを増やし
ていても30分の残燃料だったとか。VFRプランで海上1000ftを割
ったとか怖いめにも会っているようです。IFRだと話は全然違うと
言っていました。
カナダの当局は大西洋横断前にエンジンのチェック、機体の洋上用
緊急装備やパイロットの経験などをチェックしたそうで、3回目の
後からはニューファウンドランド近くの飛行場での検査をしなくて
よくなったそうです。まあこれはスカイプランニングが分かってる
でしょう。
本人はサンディエゴ在住だったので、大西洋横断の前に大陸横断で
オイル消費などをチェックしてから(北の場合は)ニューファウン
ドランドから洋上に出たそうです。オイルは長距離だからといって
いっぱい入れると流出で消費量が増えるのでやたら入れるなとも教
わりました。
グリーンランド横断については、
・真ん中の横断を本人がC152でできたと言っても山が高いのではな
からそのルートを勧めるものではない。
・南端の西側の経由地を使うかそこの近くを飛ぶのが多く使われる
ルート。本人も使った。米軍のエリアではないので申請は易しい。
・真ん中の東側の経由地は昔はドラム缶の扱いのため燃料のコンタ
ミの心配をすることがあったが、取り扱いだけの話なので改善して
いるのではないか。
今回のサウジアラビアの横断はきっとイラクを避けるのから来てい
るのでしょうけど(本人が飛んだのは湾岸戦争前なのでサウジを避
ける方が良かったそうです)、サウジアラビアは上を飛ばれるのを
好まないので、許可の時刻にうるさいそうです。許可の時刻をサウ
ジでは厳守するつもりでいるのが良いらしい。
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フライトプランの作成にはAvGasの有無、航続距離などいろいろ要素があります。Steckbauer氏の「行ってみて良かった所」の情報です。
・アンカレッジの次は小型機なら米国・カナダ国境の緯度がよいからアラスカの南端に近いKetchikan International PAKTが良い。AvGasもILSもある。バンクーバー国際空港も小型機に良い。
・その東ではカルガリーが良いところ。Winnipeg InternationalやToronto Pearson Internationalも良い。
・カナダのMonctonで大西洋横断の検査を受けるのが少なくとも以前は普通だった。ここからGoose Bayへ行って大西洋横断を始める。
・天候と地上からの支援の受けやすさからGoose BayからNarsarsuaq(Greenland)に行くことが多い。(Pollyさんもこのルートを取った)
・アイスランドのレイキャビクReykiavikは良い空港。
・Vagar EKVGの上空通過をするようにして保険にすると良い。
・イギリスではPrestwick(Scotland)EGPKを頻繁に使った。サービス良し。イギリスにはいろいろあり。Glasgowも良い。
・フランスよりドイツの方が整備費が安かった。Munich Internationalも良かったが現状は不明。
・ギリシャのアテネLGATは大丈夫だった。Iraklionは南になる。AvGasの有無?
・Bahrainは良いところだったが現在AvGasの有無?
・OEJNはクリアランスに注意。
・Muscat/OOMSはサービスは良かった。
・インドのMumbay(都市はBombay)/VABB、Calcuttaでは地上ハンドリングにエージェントを使ったほうが良い。トラブル多く、地上で時間がかかるといわれている。Calcuttaでは知り合いのエージェントに頼んだらあっというまに手続きが済んでしまった。
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