戻る  ベーコンの仕込み 2007/12/24 
さぁ07年も冬!クリスマス,正月と酒飲みにはいい季節になってきた。最高気温も10°を切る日が続いてる,と言うことで今年も燻製作りに取りかかる。今年はベーコンをしこむ,ベーコンは酒肴だけではなくおかずの材料としても重宝するので家内の受けがいい。焼いて良し,煮て良しに加えて私は生で良しも加えたい,そこで冷燻で作る事にする。用意したのは豚のバラブロック2kg,いつも行く近江町市場の肉屋で購入。牛肉は熟成してかららしいが,何故か豚肉は落としたてが店頭に並ぶそうである。まず消毒にアルコールで表面を拭いてやる,今回はジンのタンカレーを使った。作業する手もアルコールで消毒するのを忘れないように。雑菌の繁殖を可能な限り抑えたい。血抜きの為に50gくらいの塩を表面に擦り込んでやってラップで包んで冷蔵庫へ
燻製作りを始めて十年以上,木工より長いよ。参考書はこれ,左端のウッディライフなんぞは16年も前の物。近頃はいろいろなハウツー本が出てきてるが結局は内容は余り変わらない。年に一度なのでしっかり読み返して自分の記憶が正しいかを確かめる。なんと言っても口に入る物だからね。
血抜きの終わった状態,塩を擦り込んで約三昼夜おいた。血抜きだけなら本当は24時間くらいでいいのだが途中に出張が入ったので長くなった。ボールの中で軽く洗ってやる,血が混じった水が溜まっているでしょう?血の臭みを取るのとやはり腐敗防止には欠かせない行程。
塩漬け方法として振り塩方を取る,直接肉に塩を擦り込むのである。ソミュール液やピックル液を使う立て塩方は小さい物をまとめて塩漬けするのには便利な方法,だけどかたまり肉はやはりワイルドに行きたい。調味料を用意する。上右から塩60g,砂糖30g。下右から黒胡椒10g,白胡椒10g,クローブ少々,セージ少々,重量は多分こんなモンだったと思う。クローブ,セージは臭み消しに効果大,塩と胡椒が味付けの基本。
塩が内部まで入ってもらわないと防腐効果があがらない。肉の表裏にフォークでブスブスと穴を開ける。フォークもあらかじめアルコールで消毒すること。筋切りの意味も兼ねてとにかく刺しまくる。
混合した調味料を十分擦り込んでやる。油の所からはしみこまないが当然全体に擦り込むこと。襞の裏やとにかく全体にまんべんなく擦り込む,塩の粒が有る程度溶けたらOKでしょう。そのままラップでくるんでバットなどに入れて冷蔵庫へ直行。この作業工程でも肉の温度上昇に注意しましょう。高温は腐敗の第一要因です。
一週間から十日,途中裏返したりしながら塩漬けの完了を待つ。この期間がなかなか退屈な期間。今回は血抜きが長かった事もあり八日間でとめた,「もういいだろ」とばかりに冷蔵庫から引っ張り出す。緊張の瞬間である。このままでは塩分が濃すぎるので塩抜きをする。写真のように流水にさらして約二時間,途中端の肉を切り取って焼いて食してみる,「薄いかな」位がいい塩梅である。ここら辺は経験が物を言う。三角コーナーが気になる,この後直ちに処分しましたよ,腐敗には神経質なんです。
塩抜きが終わった肉はこのように風乾する。つるすときに肉の線維に平行にフックをかける,そうしないと肉が伸びて薄いベーコンになってしまうので注意すること。フックがない場合は肉に直接タコ糸を通してもいい。小さい扇風機で弱めの風を当てる,場所は私の金工房。ここが我が家の中で一番寒い,計ってみたら外気と関係なく6°前後。夜中はもっと下がるだろうけど埃が立ちにくいので環境としてはベストだろう。冷蔵庫より温度が低いかも。とにかくこの乾燥期間中がまた楽しい期間,みるみる肉が変わっていくのが分かる。
四日間扇風機の風を当て続けて表面が乾いてくる。さわってみると弾力も出てきた,そろそろ燻す事にする。スモーカー内を30度以下保つ必要のある冷燻の為にスモークウッドを用意する,これは最近ホームセンターでも売ってる木の粉を固めた線香のような物。炎があがらないので温度が上がらない,桜のウッドを二個積み上げて煙の量を増やす。スモークウッドは5cmくらいで一時間半くらい煙を出す。一回あたり二時間×三回煙を当てる事にする。
一度目の燻煙が終了した肉のかたまり。ここで味見をしたくなるが我慢である,食欲をそそる芳香,熟成の進んだ赤身の色,全てがいい結果を予測させる。楽しみな瞬間である,作っているプロセスを楽しむこれも重要なこと。
今年はベーコンのみに集中した,ドラム缶スモーカーの中はこの一つだけ。写真は二回目の映像,もうもうたる煙の中から姿を見せた肉,見かけは無骨な肉塊,しかし内にはベルベットのような繊細な味を秘めている。思わず舌なめずりをしてしまう。この後も燻煙の行程であがった温度を下げるために直ちに風乾行程を続ける。
三回目の燻煙が終了した,完成である。水分は余り抜けてない,その代わり塩漬けはしっかりしてあるので二週間は持つだろう。まさにベーコンである,煙と言う衣装をまとい時間をかけて熟成された完成品。元の肉からどのように変化したかロールオーバーでお楽しみください,燻製とはこのようになるのです。
成形と出来具合の確認,端を切り落としてみる。塊を使う調理はこの段階まで肉の中が分からない。やはり緊張する,見た目は脂身の多いブロックだったが,意に反してなかなかである。縛めを解かれて姿を現したのは実に見事な赤身だった。三枚肉としてはかなり状態がいい方だ。
お裾分けの分などを切り出してみる。
切りとばした端切れを早速試食。私はなんと言ってもベーコンエッグが一番だと思っている。フライパンでカリカリになるまで炒める,十分油が出たところで卵を落とす。メタボが気になる私だがこの誘惑には勝てない,思わず卵は二つ!出来上がりの熱々にかぶりつく,ベーコンの塩分,胡椒の味が溶け出て煙の香りが最終兵器!他には一切味付けは要らない。半熟の黄身をベーコンですくって口に運ぶ,至福の瞬間。
昨晩の夕食,我が家の定番スパゲティカルボナーラ。具はベーコンとマッシュルームだけと至ってシンプル。
作った者だけが自己責任で食す事が出来る生ベーコン,ベーコンの刺身とでも言おうか。比較的赤身の多い部分を数ミリの厚さに切る。出来上がって一二日中だけのお楽しみ。ワイン・ウイスキー,思わず酒が進む。