第26章 レフェリー
第81条
レフェリーはルールに基づき、試合中リング内において試合を管理、支配し、かつ指揮、命令する全権を持つ。本ルールに規定されていない事項についても試合に関する限りは、すべてレフェリーの裁断による。
レフェリーはつぎの任務を公正、忠実かつ適切、迅速な判断に基づいて遂行しなければならない。
1.試合中ルールとフェアプレイが厳格に守られるよう監視し、必要なる注意や支持をなし、試合が円滑、真剣かつ最高に行なわれるよう努力すること。
2.両ボクサーの安全防護を期すること。
第82条
レフェリーは、つぎの権限を持つ。
1.試合がワンサイドの場合は、いかなる段階でも試合を中止して勝敗を決めることができる。
2.負傷その他の理由で、試合続行を不適当と認めた場合は、試合を中止して勝敗を決めることができる。
3.故意であると否とを問わずファウルを犯し、またはその他のルールを守らず、フェアでない試合をし、もしくはレフェリーの命令に従わない場合は、警告の有無にかかわらず、試合を中止して、一方または双方のボクサーを失格させることができる。
4.ルールを守らないセコンドおよび必要ならばそのボクサーをも同時に失格させることができる。
5.ボクサーが加撃されることなくしてダウンし、直ちに自力で起き上がれなかった場合は、カウント・アウトまたはそのボクサーを失格させることができる。
6.試合開始前のゴングが鳴ってもコーナーから立たず、あるいは立っても試合をせず、もしくは試合をすることを拒んだボクサーに対しては、これをカウント・アウトすることができる。
7.ダウンさせたボクサーが、レフェリーが指示に従わず、ニュートラル・コーナーへ退くことをしない場合は、カウントを中止することができる。
8.ファウルを犯したボクサーに対し、1点から3点までを減点することができる。
9.反則されたボクサーが、たとえどのような異議を申し立てようとも、その判断に従って適当な中休み(ただし3分間以内)の後、試合続行を命じることが出来る
10.確認できない事態(ファウル・ダウン)に対してはジャッジの意見を聞くことが出来る。
11.リング上に居座り、もしくは占拠して試合進行を妨害するボクサー・セコンドその他に退去を命じることができる。
第83条
レフェリーは、試合遂行に関してつぎの処置をとらねばならない。
1.リング照明、グローブ等が正しく整備され、すべての試合役員が正しい配置にあり、両ボクサーの服装、ノー・ファウル・カップ、バンテージ等に違反がないことを確認する。
2.両ボクサーのチーフ・セコンドを確認し、リングの中央に招いて、グローブを交付する(ただしメイン・エベント以外は、選手控室でインスペクター立ち合いのもとにグローブの着用を許してもよい)
3.両ボクサーおよびチーフ・セコンドをリング中央に招き、グローブが正しく着用されているかどうかを検査し、試合が日本ボクシングコミッション・ルールで行なわれることを通告し、特に注意すべき反則事項等を簡潔、明確に警告したのち、両ボクサーをコーナーへ退かせ、チーフ・セコンドがリング外に出たことを確認したのち、タイム・キーパーに試合開始の合図をする。
4.レフェリーは、つねに両ボクサーを結ぶ線を底辺とする二等辺三角形の頂点に位置するよう留意して試合を観察し、両ボクサーの中間を横切って反対側に位置してはならない。
5.試合中、レフェリーは、つぎの5つの命令語を用いる。
A 「ストップ」試合の中止を命じるとき。
B 「ファイト」試合の開始、続行、促進を告げるとき。
C 「ブレイク・アウェイ」(単に「ブレイク」でもよい)クリンチを解くとき。
D 「ダウン」ノック・ダウンを告げるとき。
E 「スリップ」スリップ・ダウンを告げるとき。
6.レフェリーは、ボクサーの身体に触れてはならない。また、身体に触れてブレイクさせる際には、特に一方のボクサーを強く押すことなどのないよう公平にしなければならない。
7.レフェリーはボクサーのファウル行為、特にヘッディング、ホールディング、ロー・ブロー、オープン・ブロー、チョップ・ブロー、ブレイクの際の加撃などのほか、すべての違反行為に対しては必要あらば試合を一時中止して、適当な合図または身振りで警告を与えなければならない。
8.重要でない違反行為および軽度の負傷などに対しては、なるべく試合を中止しないで、ラウンドの間に注意する。
9.試合中のファウルに対して減点する場合には、その源点数をそのラウンドの終了後、両ジャッジとコミッションに通告しなければならない。
10.レフェリーは、試合中ボクサーが負傷して試合続行が不可能と判断した場合、ドクターをリング上に招いて負傷の程度をきき、その意見を参考として続行か否かを決める。
もし、試合を中止する場合は、宣告前に、そのボクサーのチーフ・セコンドにドクターの意見を伝えることが好ましい。
11.レフェリーは、試合中ノック・ダウンがあった場合には、ダウンさせたボクサーを2つのニュートラル・コーナーのうち遠い方を指示して退かせ、タイム・キーパーのカウントに合わせて、そこから続け、ダウンしたボクサーにわかるように、指で秒間を示しながら、一秒毎に大声でカウントしなければならない。10をかぞえたならば、レフェリーは両手を頭上に高く上げ、ついてこれを左右に交叉して数度動かし、試合がノック・アウトで終わったことを表示しなければならない。
12.ダウンしたボクサーが、カウントが10に達しない前にたちあがっても、その直後、新たなパンチを受けていないのに再びダウンした場合は、残されたカウントを再び続けなければならない。
13.ボクサーがダウンした場合は、すべて8までカウントしなければならない。
ただし、世界タイトルマッチなどにおいては、フリー・カウントする場合もある。
14.両ボクサーが、同時にダウンした場合には、その一方がダウンしている間はカウントを続ける。もし双方とも10までに立ち上がらなければ、試合はドロー(引き分け)とする。
双方又は一方が、80条3項ハ(ダウン3ルール)に該当する場合も同じくカウントする。この場合双方がカウント・テン前に立ち上がったときは、双方が前記条項に該当する場合は引き分け、一方が該当する場合はこの選手をKO負けとする。
15.試合中ボクサーが、加撃によると否とを問わず、リングの外に落ちた場合は、ノックダウンと同様に相手ボクサーを遠いコーナーへ退けさせてからカウントする。
ただし相手方の反則行為によってリングから投げ出され、または落とされた場合は、この限りではない。
16.各ラウンドが終わったならば、レフェリーは直ちに採点表に記入したのち、両ジャッジの採点表を集めて、これをコミッション席に渡す。これに基づく判定は、コミッションがレフェリーに指示する。
17.ファウルで失格したり、または試合をストップしたときは、その理由をコミッション席に通告する。
18.各ラウンドとラウンドの中間に、両ボクサーへ、つぎのラウンドが何ラウンド目であるかを通告する。
19.試合終了後、その勝者がなにびともわかるよう勝者のコーナーを指摘し片手を上げて表示する。もしドローならば両者の手を上げる。
第84条
偶然のバッティングでボクサーの一方または双方が負傷し、試合続行不可能と判断した場合には、レフェリーは、そのバッティングが怒った瞬間の直後において試合を中止し、つぎの処置をとる。
1.その事態が起こったときが、全試合ラウンドの前半であったならば、すべてドローとする。
2.それが後半であったならば、第77条(採点)を適用する。
3.レフェリーが試合続行を命じた場合は、もはや上記の規定は適用されないが、再度偶然のバッティングが起きた場合は本条が適用される。なお、世界および東洋太平洋タイトルの場合はそれぞれのルールの適用を認める。
第85条
レフェリーは、コミッションの指示に従ってドクター健康診断を受けなければならない。リングに上がる場合は見苦しくない、軽装な服装、ボクシングシューズをはき、メガネ、指輪、時計、バックルその一切の貴金属類を身に帯びてはならない。
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