プロセス指向心理学

プロセス指向心理学

プロセス指向心理学は、
アーノルド=ミンデルが創始したユング派の流れをくむ臨床心理学だ。
彼は、体に現れている症状も夢と同じように
無意識の創造的な発現なのではないかということを発見した。
そして、夢にあらわれたり体にあらわれたりしている「何か」は 根元では同じもので、
たまたま夢という形を取るか、身体症状という形を取るかのちがいに過ぎないと考え、
「ドリームボディー」と名づけた。
さらに、
動作、人間関係、共時的な出来事を含めた様々なチャンネルを通して現れてくる出来事(プロセス)に丁寧に気づきを向け、
その流れに寄り添うことが本質的だという。
「プロセス指向心理学」を構築した。
おそらく、プロセス指向心理学は、今までの成果を見る限り、
現在、最も強力な臨床心理手法の一つかもしれない。

1.プロセス指向心理学とは

アーノルド=ミンデルが創始したプロセス指向心理学は、ユング派の流れを汲む心理臨床学である。 ミンデルは、夢分析中心の伝統的なユング派の臨床を続けるうちに、実は体に現れている症状も夢と同じように無意識の創造的な発現なのではないかという点に思い当たる。 そして、夢にあらわれたり体にあらわれたりしている「何か」は、根元では同じもので、たまたま夢という形を取るか、 身体症状という形を取るかの違いに過ぎないと考え、 そのもとになる「何か」を夢と身体の一体になったものとして「ドリームボディー」と呼んだ。
彼は、ドリームボディーの語るところに耳を傾けるという臨床スタイルを確立していき、 結局それは夢と身体だけではなく動作、人間関係、共時的な出来事を含めた様々な チャンネル を通して現れてくるので、そこで起こっている出来事(プロセス)に気づき、 丁寧に観察しながらプロセスに従うことが本質的だという、プロセス指向心理学を確立させた。 プロセス指向心理学の臨床は、プロセスワークと呼ばれており、 治療的プロセスが自発的に展開することをサポートすることを目的としている。
この方法は非常に高い普遍性を持っていることがわかり、 一見、外界とコミュニケーションが不可能であるような昏睡状態の人とのワーク ( コーマワーク )、 従来のユング派がほとんど行ってこなかったグループに対するワーク( ワールドワーク )など、 幅広く展開されている。

2.一次プロセスと二次プロセス

一次プロセスと二次プロセスは、通常は意識、無意識に対応する。 プロセス指向心理学では、問題の原因は、自分と一致していない部分であると考え、 それらは普段注意を払われない無意識的な二次プロセスに顕れると考える。 例えば、会話自体は意識的なものだが、その時の何気ない仕草や姿勢、表情は無意識的である。 ここでそのような無意識的な動作などに、ダブルシグナル(意識的な部分と異なるメッセージ)がある場合には、 重要なメッセージを伝えようとしているかもしれない、と仮定して気づきを向ける。

3.チャンネルとそのシフト

一次プロセスと矛盾するような情報、シグナル(二次プロセス)は、様々なチャンネルを通してあらわれる。 そのチャンネルは、代表的なものとして視覚、聴覚、身体感覚、運動、対人関係、世界チャンネルをあげることが多い。 異なるチャンネルに現れた二次プロセスを手がかりにプロセスワークを行う。 また、痛みに注意を向けていると夢を思い出したり、あるいは動作を丁寧にやっていると言葉で何か言いたくなったりと、 シグナルのチャンネルが切り替わる ( シフト ) ときがある。 チャンネルを意図的に切り替えることでプロセスを新たな展開に導くことも出来る。

4.ドリームボディー

二次プロセスは、実際にはさまざまなチャンネルを通してあらわれる。 そこで、個々のプロセスの奥にある一貫した実体を ドリームボディー(夢身体)と呼んだ。 プロセスワークは、このドリームボディーが全体性を快復する作業をサポートする。 逆にドリームボディーとは、プロセスの展開によってたどり着くことができる、より全体的な自分である。 ユング派でいうところの「自己(セルフ)」を拡張した概念といえる。

5.メタスキル

プロセス指向心理学のもうひとつ重要な特徴は 「メタスキル」 という視点である。 メタスキルとは、スキル(技法)の奥にあるもの、というような意味で、技法を使う際の気持ちや態度 (feeling attitude などといいます)のことである。
プロセスワークや多くの心理療法には、それぞれ具体的な技法があるが、 その技法を用いる際の気持ちや態度によって、異なった意味をもつ。 そういうことも大切にしようということをプロセス指向心理学は提案している。 自分の気持ちや態度に気づきを向けることを重要視し、基本的な信念とか態度といったものを前提にして、 それぞれのテクニックが形成されていくと考える。 自分の持ち味を「メタスキル」として、より意識的、主体的に利用していこうということである。

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